園山二美

 いつのまにか消えてしまう漫画家がいます。各雑誌に断続的に読みきりを発表し、単行本も出版したのに、ある日突然消息がわからなくなってしまう。園山二美はそういう風に消えてしまった漫画家です。

 単行本は『蠢動』と『続蠢動』の二冊。それと単行本に纏められていない読みきりがいくつか。少女漫画の風味を少しだけ残したかっちりとした絵(現役の漫画家に例えると……イシデ電っぽいかなあ)、皮肉と感情のこもった台詞、ストーリーテリングの確かさなどで、一般に大きく取り上げられることはありませんでしたが、作品に少しでも触れた読者に強い印象を与える漫画家でした。

 作者は1975年生まれ、おそらく女性。単行本に『蠢動』『続蠢動』(アスキー刊)、単行本未収録作品として、『女の花道』全4話、『恋するショウジョ』、『Side Effect』(作:川崎ぶら)、『猫のカリカリ』、『夜の時間』、『空の下で』など。